ステップ1
ボールペンとノートを用意してください。
自分が生まれた年から一年ごとに記された表を作ります。
各年の間には三行程度の空白を設けます。
そのスペースに生まれた日から今日までで起きたこと、自分に起きた重大事件、それらを生まれた年から現在に向かって、思い浮かぶ順に、記していきます。特に重要だと思える出来事は月日を入れても良いでしょう。
ステップ2
出来上がった自分史を、現在から過去に向かって逆回しに見ていき、自分の今までの人生全体を眺めます。
ステップ3
自分の人生の中で最も素晴らしい瞬間、その思い出を抱いて永遠の世界に旅立つに値する瞬間とは何か?そう自分に問いかけ、その瞬間、あるいは出来事を選択して下さい。
みなさんは今、たったひとつの出来事、もっとも素晴らしい出来事を選択されました。
目を閉じてそのできごとに意識を向けてください。
いつ、
どこで、
どんな人と、
どんな物語の中で、
そしてそれがあなたにどんな想いや感情や影響を与えたのか、これらのことをできるだけ具体的に書き記してください。
ステップ4
夜、ふとんの中で(すぐに眠ってしまう人はふとんに入る前に)、ありありと、自分が選択した思い出を再現し、その時の感覚や感情をできるだけリアルに味わい、その思い出と共に、眠ります。
「私はこれから死ぬ。この思い出を胸に抱き締めながら…」と自分にやさしく語りかけながら…。
(あるいは、その出来事を紙に書き記して封筒に入れ、その封筒を胸に抱いて寝るか、あるいは枕の下に入れても良いでしょう。)
感想 鹿島洋子(仮名 会社員 27歳)
このエクササイズをやっている間中、胸がどきどきしていました。
「いったい自分はどの瞬間を選ぶんだろう…」
自分自身まったく予想がつきませんでした。
ステップ1の自分史の部分を書いていて、「あまり考え込むと書けなくなるな」と気づきました。それで、思いつくままに書いていってみました。
初めての誕生日の記憶。
小学校でいじめにあったこと。
良い担任の先生に出会えて、勉強が楽しくなっていったこと。
中学校の受験で奇跡的に合格したこと。
初恋→失恋。
アメリカへの留学の日々。
帰国してから現在の彼氏との出会い。
就職。
走馬灯のように、今までの人生を見つめなおすことができました。
そして、「この中から一瞬を選ぶとしたら?」と自分自身に問いかけてみました。
でもなかなか浮かびません。
「あれでもない。これでもない…」
そんな状態が五分ほど続きました。
そしてふとこんな考えが浮かびました。
「そうだ。これから私は死ぬんだ。そして生まれ変わるかもしれない。
そう考えてみよう。もし次に生まれ変わるとしたら、生まれた時に何を覚えていたら、自分が今生よりも素晴らしい人生を送るために役に立つだろう?」
そう自分に問いかけてみたら、浮かんできたのは、私が恋い焦がれた男性への思いで苦しみぬいた末に、その執着を超えることができたその瞬間でした。
私はその時初めて感情を超えた「愛」というものの存在を知ったのです。
その瞬間、私は自分の部屋で一人音楽を聴いていました。
そこで、その時聞聴いていた音楽をかけて、その瞬間のコトバを超えた自由さを思い出しながら、味わいながら、「自分はこの思い出を抱いて死ぬんだ」とイメージしながら眠りに入りました。
その夜は最近味わったことがないほど深~く眠れました。次の日の朝は、とても気持ちよく目覚め、すぐに起きることができました。
「これから新しい人生が始まる」
そんな期待と予感に包まれている自分の顔を鏡で見てみると、うれしそうに微笑んでいました。
やってみて本当に良かったです。